キョウト・スタイル 12月号

伝統を受け継ぐというコト キョウト・スタイル



Kyoto lifestyle connection キョウトからはじまる美しいくらし

伝統や文化を受け継ぐ事を生業とする若い世代を紹介します。vol.04

ニッポン画家/山本太郎さん

普通の人にとって、日本画は少し耳慣れないジャンルかもしれない。ここで日本画の定義を一つ。「中国、朝鮮の影響を受けながらも、日本独自に発達、進化した様式の絵画」と辞書にある。そんな日本画を独自の解釈で表現しつづけるアーティストがいる。それが山本太郎(32才)さんだ。

日本画という絵画ジャンルが生まれたのは明治以降で、岡倉天心らの働きかけにより確立されたという。京都と日本画の関係は深く、明治時代に活躍した「竹内栖鳳」「上村松園」「富岡鉄斎」など大家は皆京都人だ。「川合玉堂」も京都に学ぶ。以後京都は、日本画の聖地となった。京都画壇と呼ばれる所以でもあり、それだけ、層が厚いということだ。  そんな京都で、山本さんは日本画を学んだ。「美術の世界で自分を表現して生きて行きたい」そう思った山本さんは、当初現代美術を専攻しようと考えていた。だが油絵をやりながら、漠然と「材料が扱いづらく、日本の風土には合わないのではないか」と感じるようになったという。「色々思い悩み放浪生活に。そこで出会った様々な人たちを見て、日本人としてのアイデンティティのようなものが芽生えてきて。日本人なら、もっと日本の事を知った方がいい。他の文化を持ってくるよりも、自国の文化を突き詰めてみようと思ったんですね」。

だが。実際の世界は思い描いていたものと違った。表現方法そのものが、厚くぬったり、陰影があったりと、西洋画がベースにあった。「自分の納得のいく制作をするには、どうすればいいのか?伝統的なものをとことん見直し、模索しました。その昔、日本の絵画は、屏風や襖や掛け軸など、調度品の一部として、生活に根付いたものでした。だったら自分も伝統的手法にのっとって、生活に密着した、今の人に共感してもらえるような表現ができないものか」と。  その記号として選んだのが、ケンタッキーやアメリカンコミックなど、わかりやすく身近な大量消費のキーワード。箔、彩色など日本絵画の伝統的技法とそれらを組み合わせることで、扇子、屏風…現代的な花鳥風月がイメージした山本流のニッポン画が生まれた。時代の空気とそんな肩肘張らない作風が、若者たちの支持を得ている。「平成琳派」のごとく、陶芸家と新しいブランドを作るなど、その活動も意欲的だ。今後の動向を見守りたい。

学生時代、観世流の能にも傾倒したという。「学生能」の舞台にたったこともあるそう。箔の屏風に描かれた松や観世水は、その時の原風景がベースなのだとか。なるほど。彼の作り出す金屏風や扇子などは、能のイメージそのもの。「生きている表現」を実現しようと新作、現代劇にも果敢にチャレンジする師の姿が、作品作りにも多大な影響を与えたのだとか。

山本太郎/やまもと たろう

熊本生まれ。京都の大学で日本画を学ぶ。卒業後、日本画家として活動を開始。2000年フィリップアートアワード2000に入選するほか、個展、グループ展など、精力的に活動中。

http://www.h7.dion.ne.jp/~nipponga

山本太郎さんが下記展覧会に作品を出品。
10月28日(土)には17時〜トークショーを行います!どうぞお運びください。 詳しくはこちら。

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