好奇心を刺激する染業という仕事
「医食同源」という中国の言葉がある。病気を治療するのも、食事をするのも、生命を保ち養うためには共に欠すことはできず、源はすべて一緒だという考え方。古代より草木染めに使用されてきた原料は、茜、黄檗など、染色だけでなく薬用に使われてきたものも多い。「染の行程は、お料理を作る行程と似ているんですよ。素材を厳選して、時間をかけて、煮出して。染め上げるまでには3日。それから、じっくりと天日干しで乾かします。何日も寝かし完成するスープを作っているような感覚ですね(笑)」と青木さん。草木染めもまた「医食同源」という言葉がぴったりはまるようだ。
恵まれた自然環境の中で、美に対する独特の感性を育んできた日本人。古代より自然を崇拝し、感謝し、身近な生活に取り入れてきたのだという。「様々な恩恵を与えてくれる神様の贈り物が植物なのだ」とも。「飛鳥時代から、草木染めはすでに生活の中にとけ込んでいたといいます。そのことを考えると、非常に奥深く、興味が尽きることはありませんね。やればやるほどわからないことだらけですから…」。そんな中で、青木さんにとって京都は本物に出会える機会が多く、もの作りにとっての刺激や可能性の多い場所だそう。






